新婚生活

昭和29年3月26日結婚式をあげる。

3夫婦に小姑2人の8人大家族に嫁いでそりゃぁ大変だったわい。
おばあちゃんは、元気で取り仕切っていたし、兄嫁のゆきさんだっていたから私なんて小さくなっていただよぅ。
何をするのも一番後だったから、味噌汁の具が無くなっちまったりお風呂のお湯だって少なくなっているしさぁ。

実家の方ではさぁ、お祭りに出かけたり浴衣を着てみんなで花市に行ったりオシャレをして出かけることが年に何回もあって楽しみだっただよぅ。
だけど田沢は田舎でそんな事はなくてみんなただ働くばっかりでつまらなかったわぃ。なんでこんな所に嫁にきただずと思って悲しかったわぃ。
まだ食糧難の時代が続いていたから父さんが、「食べていくことに心配がねぇ所じゃないと嫁にやれねぇ」って言うからさぁ。上田からだって縁談はあっただよぅ。「和裁だって洋裁だって編物だってできるのに、どうしても農家へお嫁にいくの?」って裁縫の先生に言われたわぃ。

農業は、慣れていたから田植をしたとき速くて上手に苗を植えられるから「いい嫁が来た!」って村の人に褒められたわぃ。